ソ連陸海軍レシピ集SOVIET ARMY & NAVY RECIPE ARCHIVE
アプリ目次 ☕ Ko-fiで支援する

兵士と水兵の食卓に、
一冊の教科書があった。

1980年の『部隊における調理指導書』――ソ連陸軍の兵士食堂と海軍の艦内厨房(カムブース)が共用した、唯一の公式調理教科書。そこに残る料理を、ロシア語原典そのもので確認し、原文の抜粋と、材料・作り方の現代語訳で読む史料レシピ集です。帝国海軍レシピ集、ドイツ陸軍レシピ集の姉妹編として、同じ形式でまとめました。

収録方針:この教科書のロシア語全文はOCRテキストとしてネット上に公開されているため、収録した料理はすべて原典そのもので確認しました。各レシピに併記したロシア語は、原典の料理番号のまま、本文を短く抜粋したものです。分量は原典の計算例と本文に明記された規格に従い、1人前の分量が付録の表にしかない料理では、数字を作らず材料の名だけを示しました。確認できない内容を創作して載せることはしません。

大釜の立つ野戦炊事車の周りで、ボルシチの大鍋をかき混ぜ、キャベツやビーツの下ごしらえをするカーキ色の軍服姿のソ連軍調理兵たちを描いたイラスト
挿絵:ソ連軍の野戦炊事車(ポホードナヤ・クーフニャ)の周りで調理する様子を描いたイラストレーション(写真ではありません)

TODAY'S DISH

今日の1品

収録した全24品の中から、1品をランダムにおすすめします。今日の献立に迷ったら、まずこのボタンを押してみてください。

原典と収録範囲

原典は一冊だけです。ソ連国防省の『部隊における調理指導書』(1980年、モスクワ・軍事出版社、256ページ。1978年6月23日に中央食糧管理局長が承認)は、陸軍の兵士食堂と海軍のカムブース(艦内厨房)の双方に適用された共用の教科書でした。ここでは、その中から4つの章にわたって24品を収録します。

V冷たい前菜

第V章 冷たい前菜(ザクースキ)

ビネグレット、各種サラダ、ニシンの付け合わせ。兵士・水兵の配給では昼食に出る前菜の章。冒頭では「調理済みの野菜に手で触れるな」という、当時としては進んだ衛生の考え方が説かれる。

原典:第V章、85〜93ページ
VIスープ

第VI章 最初の一皿(スープ)

シチー、ボルシチ、ラッソーリニク、ソリャンカ、ウハー、オクローシカ。兵士配給のスープは出来上がり600gが1人前の基準で、原典は600人分の水と野菜の計算を実例で示す。

原典:第VI章、94〜112ページ
VIII主菜

第VIII章 第二の皿(主菜)

煮込み肉、グリャーシュ、プロフ、コトレータ、テフテーリ、海軍風マカロニ、家庭風ジャルコーエ、魚のオーブン焼き。コトレータは肉100g(廃棄26gを除いた正味74g)・生地121g・焼き上がり98gと、グラム単位まで計算例が残る。

原典:第VIII章、122〜139ページ
IX・XII付け合わせ・甘味

第IX・XII章 付け合わせと甘味・飲料

第IX章は付け合わせ――蒸らし(ウプレヴァーニエ)で仕上げるさらさらのカーシャと、「冷めてから潰すな」と戒めるマッシュポテト。第XII章はキセーリ、コンポート、1人50gの湯で計算する茶など、甘味と飲料の章。

原典:第IX章140〜148ページ/第XII章168〜173ページ

レシピを探す

カテゴリと原典の章で絞り込めます。原典の料理番号が分かっている場合は、下の「料理番号で探す」に番号を入れて直接開けます。各レシピは「材料(原典の規格・本文より)」「材料(現代語訳)」「ロシア語原文(抜粋)」「原典の内容(要旨)」「作り方(現代語訳)」の順で読めます。分量は、原典の本文に明記されたものをそのまま記しました(スープは兵士配給で出来上がり600gが1人前の基準)。本文に分量の明記がない材料は、数字を作らず名前だけを示しています。原典の本文が別の料理番号を参照している場合は、「作り方」の下に参照先の補足を付けています。

条件に合う料理が見つかりませんでした。カテゴリや出典を変えてお試しください。

原典を読むための用語集

ソ連の軍隊厨房には、パッセロヴァーニエ、プリプスカーニエ、ウプレヴァーニエといった独特の技術用語があります。現代語訳を読む手がかりに。

ラスクラートカ(раскладка продуктов、食材配置表)
1人前あたりの食材投入量を定めた規格表。食堂の1日分はすべてここから計算され、原典の計算例は「600人分」が単位になっている。
パッセロヴァーニエ(пассерование)
野菜や小麦粉を少量の油で軽く炒める下処理。スープやソースの風味と色の土台で、原典では玉ねぎ・人参・トマト・小麦粉に繰り返し指定される。
プリプスカーニエ(припускание)
少量のブイヨンや水で、蓋をして蒸し煮にすること。塩漬けきゅうりや人参、ビーツの下ごしらえに多用される。
ウプレヴァーニエ(упревание)
カーシャ(穀物の粥)を煮上げたあと、弱火で蒸らして仕上げる工程。そばなら2〜3時間と、原典は穀物ごとに時間を定めている。
コトレートナヤ・マッサ(котлетная масса)
挽肉に水で浸したパンを加えた、コトレータやテフテーリのたね。原典の計算例では肉100g(廃棄26gを除いた正味74g)にパン18g、水22g、パン粉7gで、生地1個121g、焼き上がり98g。
ナプリートヌイ・カトリョール(наплитный котёл)
コンロに載せる大型の調理釜。原典の計算ではスープは1人前につき容量1リットルを目安に釜を選ぶ。
カムブース(камбуз)
艦艇の厨房のこと。この教科書は陸軍の食堂と海軍のカムブースの共用で、水兵の配給(матросский паёк)も対象にしている。
バチョーク(бачок)
出来た料理を運ぶ携帯用の缶。スープや主菜を詰めて前線や各部署へ運ぶための容器で、原典の配食手順にも登場する。

出典・原典にあたるには

このページの材料と手順は、以下の原典テキストと公開資料で確認した内容に基づきます。

このレシピ集について ― ソ連軍の食卓と調理指導書

ソ連陸海軍レシピ集は、ソ連国防省の公式調理教科書『部隊における調理指導書』(1980年、モスクワ・軍事出版社)に残るソ連軍のレシピ24品を、ロシア語原文の抜粋と、材料・作り方の現代語訳で読めるようにした史料レシピ集です。この教科書は陸軍の兵士食堂と海軍の艦内厨房(カムブース)の双方に適用された共用の教科書で、兵士と水兵の毎日の食事はここに定められた規格(ラスクラートカ=食材配置表)から計算されていました。

収録は、冷たい前菜(第V章)、スープ(第VI章)、主菜(第VIII章)、付け合わせと甘味・飲料(第IX・XII章)の4つの章から。スープの章にはボルシチと海軍ボルシチ、シチー、ラッソーリニク、ソリャンカ、ウハー、オクローシカが並び、主菜には海軍風マカロニ、コトレータ、グリャーシュ、プロフなどが収まります。スープは出来上がり600gが1人前の基準で、原典は600人分の水と野菜の計算を実例で示しています。各レシピはカテゴリと原典の章で絞り込めるほか、原典の料理番号で直接探すこともできます。利用は無料で、登録は不要です。

ボルシチのレシピは載っていますか?

はい。第VI章(スープ)にボルシチと海軍ボルシチを収録しています。ビーツの下ごしらえ(プリプスカーニエ)や、野菜を少量の油で炒めるパッセロヴァーニエといった、原典が定める下処理の手順まで現代語訳で読めます。

原典の料理番号で探せますか?

探せます。「料理番号で探す」に番号を入れると、その料理だけを表示して材料と作り方を開きます。収録24品の番号のほか、作り方の中で参照先として補足がある番号(52・53・124・129・165・270)も探せます。

ロシア語の原文は確認できますか?

各レシピに、原典のロシア語本文を料理番号のまま短く抜粋して併記しています。原典全文のOCRテキストとPDFへのリンクは「出典・原典にあたるには」にまとめています。本文に分量の明記がない材料は、数字を作らず名前だけを示す方針です。

家庭でそのまま作れますか?

分量は軍隊食堂の基準(スープだけで1人前600gなど)を含むため、家庭で再現する際は人数と現代の衛生基準に合わせて調整してください。コトレータのように、肉100gから生地121g・焼き上がり98gまでグラム単位の計算例が残る料理もあります。

利用は無料ですか?

無料です。登録も不要で、ブラウザですべてのレシピを読めます。姉妹編として、帝国海軍レシピ集とドイツ陸軍レシピ集も同じ形式で公開しています。

ご意見・ご感想をお寄せください

感想・誤りの指摘・「この料理も載せてほしい」といったリクエストは、このフォームからも送れます。名前やメールアドレスの入力は不要です。